「性犯罪。激怒しています。」出たっきり邦人@ポーランド第19回

海外で子育て(by母)

このエッセイは3人の子供を連れてポーランドに住んでいた母が、2009年12月に書いたものです。

「出たっきり邦人・欧州編」というメルマガで配信していた内容を、一部編集して紹介しています。


〓ポーランド・ワルシャワ発〓
ポーランド便り 第19回 「性犯罪」

確かアメリカでも似たような事件がありましたが、ポーランドでも少し前に娘に性関係を強要し、子供まで生ませていた男がつかまりました。

で、これに激怒したトゥスク首相が「そんなやつらはみんな去勢すべし!」といいだしたとおもったら、あれよあれよと議会を通り、人権保護団体からの反対を受けながらも法制化されちゃいました。

ある新聞の調査によると国民の84%がこの法律に賛成だとか。

さてどういう法律かというと、15歳以下の児童、または近親に対する性犯罪者を薬品で強制的に去勢するというもの。去勢といっても、薬によって性衝動を抑えたりするもので、それによって異常な精神性を治療するといった目的らしい。

イギリス、デンマーク、スイス、スウェーデン、ドイツなんかもこういうのはあるらしいけど、犯罪者側が希望して受ける形になっているそうで。これがポーランドでは強制的にさせられるので、そこが人権的には問題みたい。

で、またこのトゥスク首相、おっしゃることがはっきりしていまして、「そんなやつらは人間なんて呼べない。ただの生物だ。だから、人権問題なんて発生しない。(注:私の勝手な訳です。原文はこれね。”I don’t believe that such individuals, such creatures, can be called human. In this case one can’t even argue on behalf of human rights.”)」

で、まあこういう犯罪のケースは、やはり精神異常とよんでもいいのではないかと個人的には思いますし、それを治療するのを強制するのもいいのではないか、とも思います。これに該当するような人は本当に一握りでしょうから、普段の生活には関係ないですけど。

日本で首相がこんな発言をしたら、メディアからたたかれるだろうな。

メディアといえば、日本のニュースなどを読んだり聞いたりすると、非常に視野の狭いものが多いような気がします。

そのメディアの一翼を担っているある出版社に対して、私は今猛烈に憤っています。
絵に描くならば、沸騰したヤカンのような感じです。

何かというと、出版にかかわる人の道徳観についてです。

こんなことがありました。先月、2年ぶりに日本へ1週間ほど滞在したのですが、そのときに中1の娘がお小遣いでコミックを2冊買いました。お小遣いにも限りがあるので、コミックは2冊と自分で決め、「シリーズ物だと続きが読みたくなるので読みきりのもの」で「かわいい絵」のものを探したようです。

最近の本はプラスチックのカバーがかかっているので、内容はチェックできないので、表紙なんかで決めてきました。もちろん、少女マンガコーナーでね。

こちらに戻ってきて、で、どんなのを買ってきたのかな?と私も読んでみることにしました。1冊目はまあ普通の少女マンガ。なんだかキスシーンが多いような気がするけれど、そんなもんかしらねー、と、お母さんによる検閲は合格。

2冊目も、高校生くらいを中心とした話だけれど、結構セックスシーンもたくさんあって、ポルノ漫画じゃん、これ、と思いながら読み続け、さてはて検閲を合格させるかどうか悩んでいたところ、もう、何が何でも絶対アウト!のシーン登場。

なんと、胸もふくらんでいない、明らかに幼児体型の女の子(推定6歳)が「おじいさま」とよぶひげのおやじに、みだらなことをされるシーンがあり、しかもそれが「気持ちいいこと」で、「この時間がすき」とまでかかれていて、もう、即、怒りの沸点に到達。「ありえないx1万回」でも足りないくらいです。

子供には「あれは持っているだけで刑務所にいれられてしまうような漫画かもしれないから取り上げた」といったら、「へぇー、かわいい漫画だったのにね。」と、まったく内容を認識してなかった感じ。ってか、そんなこといっている場合じゃないのにっ、と、彼女への性教育はまた機会を見てすることにして。

作者は女性。こんな内容のものが、女性によりかかれ、担当の人もOKし、出版社もOKし、誰でも買える少女マンガコーナーに並ぶって、いったいどういうこと?

こんな内容を平気で出版できるなんて、彼らの道徳心はどこに?

で、児童ポルノについての法律はどうなっているのか、といろいろ読んでみました。法律で規制するのは「表現の自由」との関係でとても難しいそうだということも分かりましたし、単純所持の規制にも怖い問題があるということも分かりました。

なんでも、児童ポルノ法というのは被害児童の保護を対象としているので、架空の人物である漫画などは規制対象には出来ないらしい。単純所持にしても、嫌いな人のコンピューターにデータを忍ばせるだけで、相手のことを罪に陥れることが出来てしまうという危険性もあるらしい。

法律ってむずかしいのね。いろんな人の利益、不利益がかかわってくるから、反対者がいないことなんてまずないだろうし。

でもでもでも、「表現の自由」も大切ですが、「道徳」は人間としての大前提でしょ。道徳があるという前提のうえで、表現の自由は認められるべきです。

児童に害のある情報を出すことだけでなく、その非人道的な行為を肯定するようなものを、「成人図書指定」ということでもなく、少女マンガコーナーにおいてあるなんて、ありえない。

しかも、だれか特異な趣味を持つ人がネットに出しているのではなく、何人、何十人もかかわる人がいるであろう出版というシステムを経て、みんながOKを出して、本屋に並ぶなんて、だれか途中で異議を唱えなかったのかしら。

やっぱりどうにかして規制をしてほしいものですが、それは法律で律される前に、道徳心のある大人として、本来なら出版してはいけないものだと思います。

表現の自由という権利を訴えるのもいいですが、その「表現の自由」を許すことが「道徳心の失墜」という代償を払うことにならないよう、バランス感覚を持った表現の自由を訴えていただきたい。

こんな絵のものが、どんな事情にせよ我が家に存在することが、付き合いのある外国人たちにしれたら、私たち、そして日本の信用が傷つくのは間違いないです。彼らに知られる前に、近いうちに「焚書」処分にしたいと思います。

日本の出版社の方々、メディアにかかわる方々、私は今猛烈に腹が立っています。これをどこにぶつけたらいいのかわからないので、でた邦でぶちまけちゃいました。

トゥスク首相だったら、こんな本を出版した会社は厳重処分してくれるはず、きっと。

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